県内初となる越前こま犬が見つかる 宇部市の西宮八幡宮
越前こま犬の調査をする川野教授(手前)と藤井代表(西宮八幡宮社務所で)
宇部市上条3丁目の西宮八幡宮(野村清風宮司)で、県内初となる越前こま犬が見つかった。これまで島根県益田市内の神社にある越前こま犬が最西端とみられていたが、分布が広がった。 県内のこま犬を調査し魅力を発信している山口狛犬学会の藤井克浩代表と、国内外のこま犬に詳しい明治大法学部の川野明正教授が2日に現地で調査し、確認した。 越前こま犬は、おかっぱ状のたてがみが広く一直線に垂れ下がっており、雄々しい表情が特徴。福井市の足羽山(あすわやま)で採掘された笏谷石(しゃくだにいし)で製作されたものが多い。16世紀前半から19世紀に多く作られ、日本海側の神社で存在が確認されている。 同宮の越前こま犬は、神殿用のもので高さは約37センチ、台座の幅は約28センチ。江戸時代に日本海を回っていた商船群「北前船」によって運ばれたとみられる。いつごろ奉納されたかは不明で、長らく本殿に置かれており、一時期は屋外に出されていた。たまたま同宮を訪れた同学会の会員が見つけたという。 こま犬の調査は社務所で行われ、藤井代表と川野教授が寸法や牙(きば)の付き方、彫り方などを細かくチェック。歯ブラシでほこりを払ったり、記録写真を撮ったりもした。最終的に笏谷石で作られた越前こま犬で間違いないと結論付けた。 川野教授は「宇部での発見により分布の限界点が広がった。保存状態も良く、越前こま犬特有の表情もはっきりしている」、藤井代表は「県内には各地からもたらされたこま犬があり、個性もさまざま。さらに面白味が深まった」と述べた。 調査を見守った同宮禰宜(ねぎ)の野村敦さんは「非常に感激している。宇部の物流、信仰の歴史から見ても大発見だと言える。こま犬は本来の役割通り、祭神の前に置こうと思う」と話した。
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