御柱祭教わる大人の「お話し会」 長野県富士見町

和茶モン店主の小林みち子さんが持つ御柱祭手ぬぐいに興味津々の女性たち。大総代の平出裕一さん(左手前)に御柱祭のいろはから教わった
御柱曳行路から離れた境地区、昔は泊まりがけで曳いていた―。来春の諏訪大社御柱祭に向け、富士見町のコミュニティカフェ・和茶モンで26日、「御柱と富士見」をテーマにした大人のお話し会があった。町内在住の女性を中心に10人が参加。移住者や諏訪地方以外の出身者も多く、境地区大総代の平出裕一さんに御柱祭の今昔から習わし、見どころ、課題まで幅広く教わって知識と関心を深めた。
平出さんは、町は富士見地区と東3地区に分かれ、「金沢・富士見」、東3地区の「本郷・落合・境」で上社の御柱をそれぞれ1本ずつ曳行すると説明した。穴山の「大曲」、木落とし、川越しと山出しのハイライトを挙げ「力が入る、技術が試される見せ場が多い」と熱く語った。
8本の曳行担当地区をくじで決めることも上社の特徴とし、東3地区は過去に一度だけ、1938(昭和13)年に最も太い「本宮一」を引き当てたことがあると解説。今回は本郷が当番で、乙事の大総代(抽籤総代)が抽籤式に臨むとし、「期待できそう」と笑顔で伝えた。V字型に付けるメドデコを含め「木造りにも地区ごとに伝統があり、同じように見えて細かな違いがある」と力説。父親から聞いたという昔の境地区の氏子の関わり方も紹介した。
課題は氏子の減少(人口減少)とし、移住者が増える同地区も20年前に比べれば約110軒減少したと報告。「移住者、Uターン者、女性。これからは『皆の力』で行うことが必要。参加しやすい、負担感の少ない形に変えていかなければならない」と強調した。コロナ下のさまざまな制約の中でも「御柱祭の楽しみや技術をしっかり伝承していかないと」と語った。
大人のお話し会を久しぶりに催した和茶モン店主の小林みち子さん。町の歴代御柱祭手ぬぐいを披露し、御柱にちなんだ菓子を用意して会話が弾む雰囲気をつくった。「安曇野から茅野に引っ越して御柱祭がありましたが、まだ子どもが小さかった。富士見に移って迎える御柱祭。親子で参加したい」と同町田端の山越典子さん。7年前に同町高森に移住した増村江利子さんは「歴史に圧倒される。形は変わるかもしれませんが、絶やしてはいけないと感じました」と話していた。
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