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全国初 路線バスでお店 藤丸が食品や雑貨 十勝バス

 十勝バス(帯広市、野村文吾社長)が幹事企業を務める「十勝・帯広新モビリティ検討協議会」は、マルシェバスの運行を12月5日に始める。市内中心部と大空地区を結ぶ「大空団地線」で週2回導入、改造した路線バス車内に設けた店舗スペースで地元百貨店の藤丸が食品や生活雑貨などを販売する。十勝バスによると、マルシェ機能付きの路線バスは全国初の試み。

運行開始に向け、内装の整備が進むバス車内

 新たなモビリティーサービスの社会実装などを進める、経済産業省の「地域新MaaS(マース)創出推進事業」に採択された。路線周辺住民の生活の質向上や、十勝バスの収益多角化の可能性を検証する。同社は「大空ミクロ戦略事業」として、高齢化が進み、飲食店や買い物場所が少ない大空地区の活性化や交通環境の整備などに取り組んでいる。マルシェバスもその一環。

 遊休車両の中央ドアから後ろ側を店舗スペースに改造し、商品を並べる棚などを設置する。前方は通常の座席のままで、定員は従来の79人から29人に減らす。外観は十勝の田園風景をイメージした。

 期間は12月5日~来年2月27日で、毎週木・日曜の運行。大空団地線に増便する。車内販売は1日3回。午前9時半~同11時に帯広駅北多目的広場で1回目を行い、同11時15分に帯広駅ターミナルを出発。同11時53分に終点の大空10丁目に到着後、正午~午後2時にJA帯広かわにし大空支店駐車場で2回目。同3時半に帯広駅を出発後、同4時15分~同6時15分にも同駐車場で3回目の車内販売を行う。大空では地区住民、駅北多目的広場は地元住民のほかに観光客らもターゲットとする。

カラフルな色使いや牛のデザインが施されたマルシェバスの外観

 商品は生鮮品やパン、弁当・総菜などの食品や、東急ハンズトラックマーケットのキッチン・衛生・ボディーケア用品など。服飾雑貨の販売や眼鏡修理サービスも行う。芽室町の「なまら十勝野」の野菜も販売し、芽室線のバスに載せて帯広駅前まで運ぶ貨客混載も実施する。

 12月3日午後2時半からJA帯広かわにし大空支店で大空地区向けに、同4日午後2時から駅北多目的広場で一般向けの内覧展示会をそれぞれ行う。事業費は約1500万円で、国が全額負担する。

 十勝バスは「新たな収益確保の仕組みを構築し、他の事業者でも広がるように実証に取り組む」と話している。問い合わせは同社(0155・37・6500)へ。

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