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北羽新報社

オンラインで「防災小説」交流会 能代東中生も作品発表

各校の中学生が自作の防災小説を発表した交流会(能代東中で)

 まだ起きていない震災について自分の体験談のようにつづる「防災小説」に取り組む中学校が参加する全国中学校防災小説交流会が17日、オンライン形式で開かれた。昨年度から防災小説に取り組む能代市能代東中(平澤秀樹校長)の2年生も作品を発表したほか、首都直下地震や南海トラフ地震などを想定した作品を聞き、感想を述べたりして交流を深めた。

 防災小説は慶応大環境情報学部の大木聖子准教授(地震学)が小説の執筆を通して、被災時の危険や対応、地域防災を自分の問題として考えるきっかけにしてもらおうと考案。平成28年の高知県土佐清水市清水中を皮切りに愛媛県愛南町や埼玉県川越市、北海道釧路市など各地で小説を取り入れた学習が広まっている。
 ストーリーを考える時はあらかじめ学校が設定した地震発生日時や天候、規模を基に、自身を主人公とし▽地震発生時、自分は何をしているか▽自分がどのように行動し、何を感じたか▽家族や街の様子はどうなっているか──を踏まえ、最後は希望を持てるような内容で終わることをルールとしている。
 能代東中では防災教育担当の高橋毅教諭が県教委主催の研修会で「防災小説」の取り組みを知り、昨年度に学習に取り入れた。今年も2年生が「卒業式の振り替え休日の令和4年3月14日の月曜日、日本海で地震が発生」という想定で小説を作った。
 交流会は「防災小説」に取り組む生徒らの思いをつなぎ、防災意識を高めてもらうことなどを目的に大木准教授の呼び掛けで初開催。同校のほか、釧路市音別、土佐清水市清水、愛南町御荘、川越市霞ケ関西の5校が参加。それぞれの地域や学校での防災教育の取り組みなどの紹介に続き、代表生徒が作品を発表した。
 能代東は柴田恭輔君(2年)が作品を朗読。自宅で被災し避難準備を進めていたところ、ラジオで津波の影響で米代川が氾濫した報道を聞き、自宅にいた母や祖父母と高齢者交流センターおとも苑への避難を決意。「水はあふれない」と避難を渋る祖父母を説得。避難後、高台から市街地を見下ろすと、住宅が倒壊しており、市のハザードマップの予想を超える範囲で浸水被害を受けていることに驚く。災害用伝言ダイヤルで安否が分からなかった父のメッセージを聞き、家族で安堵(あんど)する──というストーリー。
 作品を聞いた他校の生徒からは「過去の経験から油断し避難しない人はいる。とても現実的な作品だ」「事前に避難場所を決めたり、準備を整えておくことの大切さを改めて感じた」といった感想が寄せられた。
 柴田君は「練習の時よりも緊張せずゆっくりはっきりと読めた。他の学校はBGMを使ったり、より具体的に書かれていて分かりやすかった」と話した。
 大木准教授は「小説を書く中で具体的に想像した分、まだ起きていない災害への具体的な対策が分かったと思う。皆さんが書いた小説を家族や地域の人に伝えることで対策を考えたり行動するきっかけになる。皆さんのこれからの成長を楽しみにしている」と講評した。

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