能代宇宙イベント開幕 小型ロケット打ち上げ 研究成果を確認

ロケットをランチャーにセットする新潟大NiCs
宇宙工学を学ぶ全国の大学生らが集う「第17回能代宇宙イベント」は3日開幕し、能代市浅内の第3鉱さい堆積場でハイブリッドロケットの陸打ちが行われた。学生たちは、新型コロナウイルスにより例年とは異なる環境の中、限られた時間で製作した機体の性能や、これまでの研究の成果を確かめ、結果に一喜一憂していた。
同イベントは市民団体などで組織する一般社団法人あきた宇宙コンソーシアム(会長・秋山演亮和歌山大教授)の主催。宇宙開発を支える人材の育成や航空宇宙技術を通じた交流による地域活性化などを狙いに、平成17年から同堆積場を主会場に毎年開催。今年は3~7日の日程でハイブリッドロケットの打ち上げや缶サット競技などを実施する。
初日は、同堆積場でハイブリッドロケットの陸打ちを実施し、新潟大NiCsと九州大Planet─Qが各1機ずつ打ち上げた。
新潟大NiCsは、ロケットの打ち上げに初めて参加。今後につなげるための土台づくりをしようと、新潟県の県鳥であるトキをイメージし赤と白を中心としたカラーリングの機体「TOKI」(全長155㌢、最大直径8・9㌢)を製作した。午前10時50分ごろに打ち上げを実施。ロケットは風の影響を受けて軌道がずれ、高度は伸びなかったものの、パラシュートが開いて地上に降下した。
プロジェクトマネジャー(PM)の須藤梓さん(工学部4年)は「ロケットがしっかりと飛ぶか不安で、初参加のため分からないことだらけだったが、きょう打ち上げることができ、とにかくうれしい。後輩につなげることができたと思うので、ここから海打ちへの参加や高高度を目指していってほしい」と話した。
一方、九州大Planet─Qの機体「GALAXY─SEED」(全長159㌢、最大直径9・2㌢)は、5年前に燃焼系のトラブルで打ち上げができなかった機体を、リベンジを果たそうと一部改修。能代への感謝の気持ちを示そうと「のしロケットちゃん」のステッカーも貼ったという。打ち上げは午後0時15分に実施し、ロケットは空高く飛翔。しかし、パラシュートは開かず落下した。
PMの池田響子さん(同大大学院修士2年)によると、分離はしたもののパラシュートが出てこなかったといい、「ロケット開発の難しさを感じたが、難しいほどに挑戦のしがいがある。後輩たちが新しいロケットを作り、宇宙を目指して頑張ってほしい」と語った。
きょう4日は、落合浜でハイブリッドロケットの海打ちを行う予定だったが、海が荒れる可能性が高いとして5日以降に実施する。
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