美しい言霊を紡ぐ 島木赤彦文学賞の授賞式 長野県下諏訪町
文学賞を受賞した伝田さん(中)と新人賞受賞の渡良瀬さん(右)
長野県下諏訪町と島木赤彦研究会は24日、第23回島木赤彦文学賞および第21回同新人賞の授賞式を諏訪湖博物館・赤彦記念館で開いた。歌集「伝田幸子歌集」で文学賞を受賞した伝田幸子さん(80)=長野市浅川=と、歌集「水晶のしづく」で新人賞に選ばれた渡良瀬愛子さん(61)=千葉県柏市=を表彰し、これまでの短歌の研さんをたたえた。
同会は、有識者会員の推薦で集まった作品を一次選考で文学賞4作品、新人賞は3作品に絞り込み、6月の最終選考で各賞を決定した。
伝田さんは短歌結社「潮音」に所属。過去に出版した6冊の歌集を1冊にまとめ、自身の集大成として2020年に出版した歌集「伝田幸子歌集」が、「赤彦の歌風が現れている」と評価されて文学賞に選ばれた。
渡良瀬さんは短歌結社「迯水短歌会」に所属。歌集「水晶のしづく」は「赤彦らの作品に学び、短歌に真摯(しんし)に向き合い表現している」と評価されて新人賞を受賞した。
授賞式で宮坂徹町長は、2人の研究、研さんをたたえ、「町では今後、島木赤彦という人を広く紹介、顕彰し、歴史文化観光にもつなげていきたい」とあいさつした。
伝田さんは「文学賞の名に恥じないよう、これからも作家活動に励んでいきたい」、渡良瀬さんは「大自然に育まれる伝統的な短歌を追求し、日本の美しい言霊を紡いでいきたい」と話し、受賞を喜んでいた。
同文学賞は、諏訪ゆかりのアララギ派歌人島木赤彦を顕彰し、短歌の創作と普及に優れた業績を上げた個人、団体を表彰している。
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