密猟者の抑止効果に 勉強会で状況など確認 希少種パト
環境省主催の希少種パトロールに関する勉強会で、やんばるでの取り組みを話す講師の山川安雄さん=22日午後、伊土名公民館
西表石垣国立公園の希少種パトロールに関する勉強会(環境省主催)が22日夕、伊土名公民館で開かれ、地元の観光ガイドなど12人が参加し、パトロールの進捗状況や有事の対処方法、改善策などについて話し合った。沖縄本島の国頭郡で希少種の林道パトロールに取り組む「やんばるリンクス」代表の山川保雄さんを講師に招き、意見交換なども行った。
石垣市では県指定天然記念物のアサヒナキマダラセセリが繁殖する4~6月に於茂登岳で不法採取の取り締まりを行っているが、環境省によると、他の希少種はほとんど放置状態で乱獲されている実態もあるという。このため、同省が2020年度から市内の観光団体「アウトフィッターユニオン」に同公園内に生息する希少種などのパトロールを委託している。
勉強会では、委託を受けた同ユニオンの大堀健司代表が日中や夜間に屋良部林道、野底林道、嵩田林道などを2~3人でパトロールしていることなどを説明。希少種のヤエヤマアオガエル、サキシマカナヘビ、マルバネクワガタなどが確認された他、公園内には不法投棄や虫をおびき寄せるライトトラップなども見つかったことを報告した。 講師の山川さんは、13年前、地元の国頭郡で密猟が後を絶たない状況を目の当たりにし、何かできないかと考えた結果、「林道パトロール」を環境省に持ち掛けた希少種パトロールの第一人者。やんばるでの事例を紹介しつつ、石垣でのパトロールについてのアドバイスも行った。
山川さんは「パトロールは密猟者への抑止効果もあるから、パトロール車両にはステッカーを貼って密猟パトをしていることをアピールするべきだ」と助言。「やんばるも最初から意識が高かったわけではないけど、パトロールを通して改めて自分たちの住む地域の自然のすごさに気づかされた市民が増えた。最終的には観光客にも体験してもらって、多くの人に希少種保護の意識を高めてもらいたい」と語った。
同ユニオンメンバーの女性は「自然が好きで、パトロールをしていてすごく貴重で大切な体験をさせてもらっていると思う」とパトロールの良さを実感。環境省の山本以智人上席自然保護官は「自分たちの住んでいる島の自然が知らないうちにこんなに減ったり荒されたりしているということをもっとたくさんの人に知ってもらって、希少種保護の機運を高めていけたら」と話した。
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