与那国 航海安全祈るダティグクイ 祖納公民館連絡協議会
供え物を並べほこらに向かって航海安全を祈願する公民館長ら=19日午前8時ごろ、ダティグチディ(提供写真)
【与那国】船の航海安全を祈願する「ダティグクイ」祭事(祖納公民館連絡協議会主催)が19日、祠(ほこら)のあるチディ(小高い丘)で行われ、各公民館長や海運業に関わる人たちが参席して祠の前に供物を並べた後、同会長を務める崎原正吉西公民館長の主導で航海安全を祈願した。
チディは石積みで囲まれた聖地で眼下に水平線を望む丘陵地。祭事は毎年旧暦8月の最初の「ひのえねの日」に行われる。
この地は1600年代に琉球王府が海上監視のため番小屋を造らせ、出入りする船を通報させたと伝わる。また、帆船が往来した時代に島に近づく船や、航行する船が視界から消えるまで島の位置を知らせるために「火番盛」でのろしを上げ続け情報伝達の役目を担った。2007年に「先島諸島火番盛」で国の史跡に指定された。
昔は命がけの船旅であったことから、離れ行く人をダティグチディで見送る情景が別れの古謡「どぅなんすんかに」にも歌われている。
松田晃源東公民館長は祈願の後「朝から日差しが強く日陰もないので大変。昔は小屋があったそうだ」と、海上の安泰を祈った先人に思いをはせた。晴天のこの日は西表島、ナガヌウガン(仲ノ神島)が見られた。(田頭政英通信員)
関連記事
綱のし神事で祝う 改築「蔵SHOP」に掲げる 竹の露酒造場
大みそかから元旦にかけて鶴岡市羽黒町の出羽三山神社で行われた松例祭で、地区の若衆が担いだ引き綱を奉納する「綱のし神事」が14日、羽黒地域の酒造会社、竹の露酒造場で行われた。竹の露では昨年、築370年の...
「特殊詐欺に注意」カード風ポスター 帯広署研修中の落合巡査制作
帯広署で実務研修中の道警の落合七菜華(ななか)巡査(23)が、特殊詐欺への注意を呼び掛けるポスター「『トクシュサギ』という名のツル」を制作した。落合さんは「詐欺の手口は新しいものが出てきている。...
バス運転士が不足 路線維持に苦慮、便数少ない徳地では親が防府や周南に通う高..
全国的にバス運転士が不足する中、山口市内の一部地域でも問題が生じつつある。市は採用助成金の創設や就職説明会の開催などで人員確保、路線維持に努めているが、働き方改革に伴う2024年問題、バス会社...
元ドラゴンズ投手・岩瀬さんがプロ野球殿堂入り
今年の殿堂入りのプレーヤー表彰が16日発表され、愛知大学野球部出身で中日ドラゴンズ元投手の岩瀬仁紀さん(50)がオリックス、マリナーズで活躍したイチローさん(51)とともに選ばれた。大学、社会人時代で...