御柱祭へ鹿皮の記念品開発 長野県富士見町のグループ

諏訪大社御柱祭に向け、鹿皮を用いて開発した記念品を持つ「すずらん娘町」のメンバー
手工芸品で長野県富士見町を元気にするグループ「すずらん娘町」は、来年の諏訪大社御柱祭に向けて、町内で捕獲されたニホンジカの皮を使った記念品を開発した。捕獲個体の命を無駄にしたくないとシカ肉の活用は広がるが、鹿皮の利用は少ないのが現状。諏訪信仰と狩猟文化の深い結び付きを生かした記念品を町内事業者と連携して作り、地域資源の有効活用や地域振興に貢献したい考えでいる。
手作りの技とアイデアを持ち寄り、町花のスズランをモチーフにした土産品などを考案、開発する同グループ。牛山由実子代表によると、御柱祭関連の商品は初めてで、3年ほど前から構想を温めてきたという。諏訪大社の商標等使用許可も得ている。
毛付きの鹿皮を専門業者でなめし加工し、直径4センチの木の丸板にあしらった。反対の面には「祝御柱祭 信濃國一之宮」の字と鹿の角をデザイン。ひもの部分を動かし、根付けとして使用できる。天然物の毛並みのため1点1点が異なり、好みの柄や色を選ぶ楽しさも。同封するしおりでは古来、大社が発行してきた狩猟と肉食の免罪符「鹿食免」についても触れている。
町内の事業者と連携し、鹿皮は地元猟友会の有志が設立した「信州富士見高原ファーム」が供給。小松工芸舎(栗生)が木材加工を手掛け、娘町のメンバーが工程を分担しながらパーツを組み合わせていく。牛山代表は「観光客に限らず、地元の氏子の皆さんに使っていただけたら。シカも報われると思う」と話す。
現在は国道20号沿いのセブン-イレブン富士見町富士見店で販売している。1個3300円(税込み)。来春までに2000個を作り、諏訪地方の店舗や宿泊・観光施設などに置きたいという。
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