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荘内日報社

実演と動画鑑賞楽しむ 「黒森歌舞伎」ワークショップ(酒田)

 酒田市黒森地区に約280年前から伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財、国記録作成等の措置を講ずるべき無形の民俗文化財)に関するワークショップが20日、市出羽遊心館で行われ、参加した市民らが実演、動画鑑賞を通して理解を深めた。

ワークショップで迫力ある演技を披露=20日午後

 広く市民から音楽、美術などさまざまなジャンルの芸術に触れてもらう、酒田市など主催の「サカタアートマルシェ2021」の一環として、地元に伝わる芸能について理解してもらおうと、市と市教育委員会、市文化芸術推進プロジェクト会議が企画した。

 この日は市民約40人が参加、黒森歌舞伎保存会事務局の市教委社会教育文化課職員が案内役を務めた。毎年3月の太夫振舞(ご神籤(しんせん)の儀)から翌年2月の正月公演まで「黒森歌舞伎の一年」をまとめた動画を鑑賞、職員は「歌舞伎が農村で祭礼と結び付き定着した過程を唯一残している」「1年間に掛かる費用はおよそ500万円。行政などの補助に頼らず、地区内の企業や家庭からの寄付でまかなっている」などと解説した。

 2019年11月に行われたポーランド公演の模様を15分に凝縮した動画の鑑賞に続き、一座「妻堂連中」が同国でも披露した「義経千本桜―伏見稲荷鳥居前の場」を実演、その迫力を間近にした参加者たちは真剣な表情で見入っていた。妻堂連中の五十嵐良弥座長は「コロナ禍の中、集まっていただき感謝。今年の正月公演は中止となったが、来年こそはやるぞという思い。ぜひ黒森日枝神社に足を運んでもらい、現地で鑑賞してほしい」と話した。

 アートマルシェに関して同日午前、酒田舞娘(まいこ)の演舞、酒田吹奏楽団のコンサートも行われた。

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