コロナ禍で無人販売進化中
ギョーザがぎっしり詰まった冷凍庫とさい銭箱に似た料金箱(右)=和歌山県田辺市明洋1丁目で
農村地域でミカンや野菜を販売する―。そんな無人(セルフ)販売所のイメージを変える新形態が、和歌山県の紀南のまちなかや観光地に登場している。コロナ禍でも進化中の無人販売所を追った。
田辺市明洋1丁目にある「餃子(ギョーザ)の雪松」は、冷凍ギョーザの無人販売店。店内はギョーザがぎっしり入った冷凍庫とさい銭箱に似た料金箱だけがある。初めての客は戸惑う人も多いが、購入の仕方を案内したビデオが常時流れている。
運営会社(東京都)によると、全国で230店以上を展開しており、県内は田辺市で4店目。コロナ禍で持ち帰り需要が高まっているのを受け、関西でも出店を増やしているという。
広報担当は「群馬県で80年続く知る人ぞ知る中華の食堂の後継者がいなくなり、看板メニューのギョーザの味を残そうと今の形態になった。名店の味を気軽に食べてもらいたい」と話している。36個入り千円(税込み)。
観光地にあるキャンプ用の薪の無人販売所(和歌山県田辺市本宮町本宮で)
田辺市本宮町本宮には、キャンプ用の薪(まき)の無人販売所がある。板金業を営む石原精二さん(76)が、昨年から始めた。地元で伐採したスギが中心。アウトドアブームもあり、週末は1日20束ほど売れることもあるという。
石原さんは「ホームセンターの目の前で、世界遺産熊野本宮館もすぐ近く。観光客の目にも付きやすい。薪は山ほどある。地元の人もキャンプをする時は気軽に活用してほしい」と話している。一束700円、2束1300円。
那智勝浦町では、勝浦漁港周辺を中心に生マグロのセルフ販売所が点在している。水産会社の直営店から個人商店まで10店ほどあるという。
こうした店は、さまざまなメディアで紹介され、最近は観光客の認知度もアップし、問い合わせも多いという。那智勝浦観光機構が配布している「生マグロマップ」でも販売所を紹介している。
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