三種町の森岳歌舞伎保存会が「奉納歌舞伎」 コロナ収束、地域の平穏願い

新型コロナを受け、規模を縮小して森岳歌舞伎を奉納(三種町の森岳八幡神社で)
三種町の森岳歌舞伎保存会(石塚善信会長)は19日夜、森岳八幡神社境内にある農村歌舞伎会館で奉納歌舞伎を行った。今年は保存会の立ち上げから30年の節目を迎えたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続いて規模を縮小して実施。限られた人員で演目を披露し、新型コロナの収束、地域の平穏を願った。
森岳歌舞伎は、町指定の無形民俗文化財。言い伝えなどから文化文政年代(1804~1830年)が発祥とされ、同神社の例大祭に合わせて奉納として公演されてきた。後継者不足で公演が一時途絶えた時期があったが、平成3年に住民が保存会を発足。近年は9月に開催される町の「伝統芸能の祭典inみたね」の夜の部として農村歌舞伎会館で公演している。
新型コロナ感染拡大防止の観点から、昨年に続いて規模を縮小。会員が集まる稽古も見送り、今年は石塚会長と嶋田善四副会長の2人が舞台に立ち、「白浪五人男─稲瀬川勢揃(ぞろ)いの場─」の一場面を奉納した。
見物客の密集を避けるために事前周知はしなかったが、午後6時30分からの奉納歌舞伎に合わせ、住民など約30人が境内を訪れた。石塚会長と嶋田副会長が演じる日本駄右衛門、南郷力丸が舞台に登場すると、見物客からは「待ってました」と声が上がった。
この日の舞台は約10分。時間は大幅に短縮されたが、森岳歌舞伎の心意気を示した関係者に温かい拍手が送られた。
石塚会長は「中止も考えたが、神様に森岳歌舞伎を奉納したかった。後世に引き継いでいくため、今後もしっかりと森岳歌舞伎と向き合っていきたい」、嶋田副会長は「奉納歌舞伎を大々的に披露したい気持ちはあるが、新型コロナ感染防止対策のために制限しなければならない。このような状況でも舞台に立てたことをうれしく思う」と話した。
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