高齢者の虚弱予防体操が人気 DVD活用し公民館で教室

田辺市が制作したフレイル予防のDVDの一場面
田辺市中部公民館(和歌山県田辺市上屋敷1丁目)で、要介護一歩手前の状態とされる「フレイル(虚弱)」予防の体操教室が人気を呼んでいる。市が制作したDVDを見ながら、高齢者20人ほどが週に1回、運動を楽しんでいる。市は「他の地区でも広がってほしい」と期待している。
新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控える高齢者が増えており、身体機能や認知機能の低下が心配されている。市はフレイル予防に力を入れているが、講師を派遣しての教室は継続が難しいため、どこでも気軽に体操をしてもらおうとDVDを作った。
DVDはウオーミングアップ、筋力トレーニング、ストレッチなど約20分間分を収録。高齢者向けに体操の種類を選び、短時間で効果を上げられるよう工夫した。体力に応じ、座ったままできる体操も多い。
講師役は「日本一マッチョな公民館主事」を自称する市職員の小林大斗さん。肩回しやもも上げ、つま先の上げ下げなど、運動は10回1セットの内容が多く、小林さんが回数を数えながら進行する。「自分に負けないで」「ラストです」「頑張っていきましょう」などエールも送っており、「元気が出る」と好評だ。
中部公民館の講座として昨夏にDVDを活用した教室を4回開催したところ、参加者から「健康づくりのため続けたい」という声が多かった。そこで、70~80代の有志がサークルをつくって毎週水曜に教室を開いている。

DVDを見ながら体操する教室参加者(3月、和歌山県田辺市上屋敷1丁目で)
会長の栗山清さん(87)は「負荷は大きくないけれど、頭からつま先まで全身を使う。運動すると、頭も心もすっきりする。週に1回集まることでコミュニケーションの機会にもなる」と効果を強調。「もっと参加者を増やしたい。特に男性は3人しかいないので体操をきっかけに高齢者の社会参加が増えればうれしい」と話している。
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