(酒田・からむし工房あざみ) 今野志美子さん カラムシから多彩な作品 長年の夢 着物と帯 編んで制作 道具も手作り 将来は“飛島産”手掛けたい
イラクサ科の多年草「カラムシ(青苧(あおそ))」から取った繊維を使って手編みでバッグや着物、ランプシェードなどの制作に取り組む酒田市若浜町の「からむし工房あざみ」(今野志美子代表、会員15人)。今野さん(77)は自宅で指導しており、会員は「先生は好奇心が強く、明けても暮れても実験。なんでも自分で考案するところがすごい」と話す。

今年は長年の夢だった着物と帯を制作
カラムシは国内で古くから栽培されており、その繊維で織った新潟県の「越後上布」や「小千谷縮(ちぢみ)」は吸湿性や通気性、耐久性に優れ、製法が国の重要無形文化財に指定されている。収穫から作品になるまでの工程が多く高度な技術を要するため、現在では携わる人が極めて少なくなっているという。
今野さんは12年前、友人の勧めでシナノキの皮の繊維で織る鶴岡市関川地区に伝わる伝統工芸「しな織」を体験したことをきっかけに、植物から繊維が取れることに興味を持ち、調べる中で庄内地域にも広く自生するカラムシと出会った。最初は本を見ながら独学で繊維を取り始め、その後、「からむし織」で有名な福島県昭和村に見学に行き技術を学んだ。
今野さんは「道具もすべて自分で考えて作った」と話し、「糸を作る作業はとても難しく、最初は1本の糸を作るのに数時間かかった」と振り返る。一般的な織物ではなく、かぎ針で編んで作品を作り、今年は長年の夢だった着物と帯を制作した。将来の夢はカラムシを同市の離島・飛島に植えて栽培し、島内の植物で染めること。飛島では真水で栽培することが難しいため、海水で育てる実験を続けているという。
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