旧田辺市で爆発的増加へ 外来哺乳類ハクビシン

旧田辺市で生息域を広げるハクビシン(和歌山県田辺市稲成町で)
外来哺乳類のハクビシン(ジャコウネコ科)が、旧田辺市内で分布を広げ、爆発的増加の初期段階に入った可能性が高いことが、ふるさと自然公園センター(和歌山県田辺市)の鈴木和男さんの調査で分かった。2020年度の確認数(捕獲、交通事故)は前年度の約2倍に当たる41匹だった。鈴木さんは「このままではアライグマのような大爆発につながる。防ぐには早期の駆除が重要」と話している。
紀南での初確認は、12年5月14日に白浜町十九渕で捕獲された妊娠雌。同月24日には同じ場所で雌の幼獣が捕獲された。旧田辺市での初確認は13年2月25日に新庄町で捕獲された成獣の雄。3月2日にも上秋津で成獣雄が捕獲された。
12年度の田辺・西牟婁での確認は、この4匹だけだったが、13年度には7匹、16年度20匹、18年度33匹、19年度56匹と激増した。このうち、旧田辺市では15年度に14匹を数えると、16、17年度はそれぞれ12匹、18年度は18匹、19年度には23匹と右肩上がりとなり、20年度は41匹となった。
旧田辺市の確認数を地域別でみると、累計で最も多いのは上秋津(31匹)で、新庄(28匹)、長野(19匹)、稲成(15匹)と続く。12年度は新庄と上秋津の2地域だけだったものが20年度には12地域まで増えている。
鈴木さんによると、ハクビシンの今の生息数はアライグマに比べて格段に少ないが、その生息範囲は既に旧田辺市全域に広がっているという。果実を好み、樹上生活に適した体形や習性なので、今後、果樹への食害や住宅・倉庫への侵入事例が顕著に表れてくるのではないかと心配しているという。
鈴木さんは「アライグマは年間400匹以上捕獲しているが、減少しない状態になった。ハクビシンもそうならないために、地域の皆さんからの情報提供や捕獲への協力が重要になってくる」と呼び掛けている。
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