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小倉明神でご神木に薙鎌打ち 御柱祭へ一つ歩み 長野県北安曇郡小谷村

霧が立ち込める中、ご神木に薙鎌を打ち込む北島宮司

7年目ごとに1度、県境のご神木に薙鎌を打ち込む「式年薙鎌打ち神事」は30日、北安曇郡小谷村戸土中股(仲又)の小倉明神で行われた。諏訪大社の北島和孝宮司(63)が薙鎌1体を社の脇に立つご神木に打ち付けた。朝からの雨が神事の直前に降りやみ、霧が立ち込める厳かな雰囲気の中、スギの木に打ち込まれる薙鎌の様子を参列者が静かに見守った。

同神事は、諏訪大社式年造営御柱大祭(御柱祭)の前年に行われる神事で丑年に小倉明神、未年に境の宮(同村)で行われる。信濃の国の境を確認するとともに諏訪明神の神威が直接及ぶ範囲を示す神事とされている。諸難を薙ぎはらい、国土の平安を願う意味も込められている。明治維新後に一度途絶えたが、1943(昭和18)年に復活した。小倉明神での神事は2009年以来12年ぶり。   小倉明神の氏子を務める和田家の5人が神職に続いて列をつくり、薙鎌を納めた箱を社に運び込んだ。前日に同村の中谷大宮諏訪神社で行われた奉献祭と同様に北島宮司から小倉明神の杉本英彦宮司(82)に手渡す祭儀が行われ、いったん神前にささげた。この後、北島宮司が薙鎌を納めた箱を手にした杉本宮司に続いてご神木の前に築かれたやぐらを上った。やぐら上で薙鎌を受け取った北島宮司は拝礼後、歴代の宮司が打ち付けた薙鎌の間に打ち込んだ。銀色に輝く真新しい薙鎌が霧の中で存在感を放っていた。最後に神職全員で祓詞をささげた。

2日間の日程で行われた式年薙鎌打ち神事は終了。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため参列者は神職や氏子、総代役員の一部に絞り、諏訪地方の参拝者や観光客には参列を見合わせるよう呼び掛けた。15年に境の宮で行った同神事には約400人が集まったが、今回は報道陣を含め、30人ほどだった。

北島宮司は1997(平成9)年、小倉明神での同神事に諏訪大社の随員(記録係)として初めて参列した。当時を思い起こしながら「ここは思い入れのある場所。当時は、私が薙鎌を打たせていただく時が来るとは思いもしなかった」と感慨深げ。来年に迫った御柱祭に向けては「御柱祭に向けてまた一歩ことが前に進んだ。新型コロナウイルスの心配もあったが、皆さんの協力のおかげで無事に打つことができた」と話した。

同神社の氏子は現在1世帯のみ。代表者の和田富枝美さん(62)は「素晴らしい場所に薙鎌を打っていただいた。諏訪大社の宮司様が直接出向いてくれたことをとてもうれしく思う。この神事は諏訪大社の 御柱祭にも通じる大切な神事。子どもたちの代にもしっかりと受け継がせたい」と語った。

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