農福連携事業 施設利用者らが米収穫

鎌で稲を刈るエコ工房四季の利用者ら(和歌山県古座川町潤野で)
和歌山県串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会の障害者福祉施設「エコ工房四季」の利用者が26日、古座川町潤野の田んぼで、農福連携事業で栽培しているコシヒカリを収穫した。4月下旬から5月上旬に自分たちで植えた稲で、今年は約2トンの収穫を見込んでいる。
同福祉会が、JAみくまのと古座川町の協力で個人所有の田んぼを借り、昨年度から始めた事業の一環。今年の栽培面積は約70アールで昨年より約30アール広げた。収穫した米は施設の給食で使うほか、販売する。
この日の収穫には、施設の利用者と職員のほか、JAや県の職員、地域住民ら計約70人が参加。西前啓市古座川町長も見学に訪れた。利用者は、JA職員に鎌の使い方を教えてもらった後、田んぼに入って手で稲を刈った。昨年経験していることもあり、みんな手際良く刈っていた。希望した利用者は、稲や田んぼの隣に植えている緑肥用牧草を機械で刈る体験もした。
エコ工房は、2018年からニンニク栽培などで農福連携事業を進めている。栽培面積、栽培する野菜の種類も年々増えており、現在は試験的にタマネギ、サイパンイモ、ゴマ、ショウガなども育てている。エコ工房の平原正雄施設長によると、利用者は楽しみながら、意欲的に野菜作りに取り組んでいるという。
平原施設長は「農協や地域の農家からアドバイスをもらいながら、なるべく農薬を使わない方向で栽培している。地域の店などから、さまざまな野菜を作ってほしいというリクエストがあるので、職員も勉強しながら挑戦していきたい。農福連携事業を始めたことで、地域の一員になれた感じがする。これまで地域の方々に支えられてきたので、この事業を通して地域を支える側に少しでも入っていければ」と話した。
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