雌雄型の国蝶オオムラサキ 長野県富士見町の前嶋さん発見

富士見町の高校1年生前嶋野位さんが発見、撮影した雌雄型のオオムラサキ。左の羽が鮮やかな紫色、右の羽が茶褐色になっている
左は雄で、右は雌--。長野県諏訪市の諏訪清陵高校1年の前嶋野位さん(15)=富士見町若宮=が先月、山梨県北杜市長坂町の同市オオムラサキセンターで雌雄型の国蝶オオムラサキを発見した。左の羽は雄特有の鮮やかな紫色をし、右の羽は茶褐色でやや大きい。同センターによると、雌雄型のオオムラサキは極めて珍しく、報告例はほとんどない。前嶋さんからの一報を受けて職員が捕獲。現在標本を作製しており、9月中には展示を始める予定だ。
羽化の時期に合わせて7月18日、父親、弟と同センターを訪れた前嶋さん。鉄骨ネット張りの生態観察施設(広さ1400平方メートル)で、餌場に集まっていた十数匹の中に雌雄型の1匹が混じっているのを発見。小一時間、スマートフォンでの撮影と観察を続けたという。
「雄雌型は昆虫の本で知っていた。発見した瞬間は、うれしいという感情より、驚きの方が大きかった」。帰宅後に同センターへ報告した方がいいと思うようになり、翌19日に電話連絡して複数枚の写真をメールで送った。
同センターの跡部治賢館長によると、受精卵が細胞分裂を始めた初期の段階で何らかの異常が起きたとみられる。カブトムシ やクワガタなど甲虫類ではまれに雌雄型の報告例があるが、オオムラサキは「1例しか把握していない」という。「私自身、生きた雌雄型を初めて見て感激した。チョウに関する知識を持つ高校生が発見してくれたこともうれしいこと」と感謝する。
前嶋さんは幼少期から昆虫採集に親しみ、チョウの標本を作ったり、自宅庭に食草を植えたりもしてきた。同センターにも保育園の頃から通っている。「左右ではっきり分かれ、異様な容姿に美しさを感じる。雌雄型という希少な個体の存在を多くの人に知ってもらう機会になればうれしい」と語り、「次は新種のチョウを発見したい」と意欲を新たにしている。
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