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酒田 飛島沖からトビウオ姿消す

 酒田市飛島沖からトビウオが姿を消してしまった。この3年間ほとんど水揚げがなく、今年、刺し網を仕掛けた漁師もいない。トビウオ漁が大きな収入源だった漁師にとって打撃だが、トビウオだしを使っている酒田市内のラーメン店なども大弱りだ。

 年によって好不漁の変動があるトビウオの不漁は、飛島に限ったことではない。県水産研究所の漁況では、今年6月のトビウオの水揚げ量は加茂港14㌔、由良港37㌔、豊浦港25㌔、鼠ケ関0㌔。計76㌔は平年比の2%ほど。昨年同月はそれぞれ▽300㌔▽514㌔▽192㌔▽212㌔―で計1218㌔だが、それでも平年比21%。2012年の4漁港の計約20㌧に比べても大きな落ち込みだ。

 沿岸の漁港は定置網漁で、ほかの魚に交じっての水揚げなのに対し、飛島はもっぱらトビウオを狙って刺し網を仕掛ける。飛島ではトビウオ漁の季節、あらかじめ網を仕掛ける場所を決めて番号を付け、漁師がくじ引きでその年の場所を決めるが、今年はそれさえしなかった。

 山形県漁協によると、飛島では捕れたトビウオを焼き干しにして、だし用の製品として出荷するため、他の漁港のような水揚げ量としての記録はない。ただ12年は1箱300匹入りで270箱を出荷している。漁協を通さない分もあり、実数はその倍ぐらいになるのではないかという。

 県水産研究所は、トビウオは海面近くを群をなして泳ぐ「浮き魚(うきうお)」で、環境の影響を受けやすい魚だが、海水温の影響があるのかどうかもはっきりしない。ただ、不漁は飛島だけの事ではなく新潟沖から西日本の日本海側でも不漁続きという。

 飛島のトビウオは酒田市内のラーメン店にとって味の〝命〟ともいえるめんつゆのだし。市内のラーメン店は「飛島のトビウオは味が濃い絶品。今は全く手に入らず、輸入品の小ぶりのあごだしに頼ることが多くなった」と嘆いている。

 不思議な事がある。今年、庄内沖でクロマグロ漁が好漁だった。6月の漁況では30㌔以上が7・9㌧で平年比277%、30㌔弱が11・3㌧で同281%の水揚げがあったが、マグロは漁獲制限がある。飛島に限らず、庄内沖でのトビウオ漁の不漁は、マグロの回遊によってトビウオが通り道を変えたせいだろうかなどとの声も聞かれるが、島の漁師たちの願いは、早くトビウオに戻って来てほしいことだ。

飛島ではドル箱のトビウオ漁だったが(2009年)

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